【パンチェッタ】風乾vsピチット比較
11月25日に仕込んだ第一弾は
・塩漬け一週間
・3時間塩抜き
・RONRICO151で洗う
・ピチット(脱水シート)で一週間脱水
・ピチット継続vs風乾の比較のためグループを二つに分ける
というやり方で乾燥・熟成過程に入っていた(詳しくはよろずWikiの「自家製パンチェッタ」を参照)。
今日で仕込んでから4週間たったので、風乾組とピチット組との比較をしてみた。
写真の上が風乾、下がピチットで脱水したもの。見た目や計量、触った感じでわかることは、
1)重量の減少率は、風乾が 29%、ピチットが 21%。
2)写真をクリックして拡大するとわかるように、風乾は表面が干からびているが、ピチットでは表面が湿っているというかヌラヌラと光っている。
3)風乾は表面が硬化しているがピチットの方は全体に均質な弾力がある。
ピチットは半透膜の中に閉じ込めてある水飴との浸透圧を利用して脱水するため、穏やかに、表面が濡れた状態で(平衡状態にちかい環境で)徐々に脱水される。このため、肉の中の水分の移動も脱水速度に追随していて、肉全体が均質に脱水されている。
一方、風乾では、減量率からもわかるように肉の表面から早い速度で水分が蒸発するために、肉の表面は干からびて硬化する。
例えていうと、皮膚がはがれてしまうような大きな傷に人工皮膚のような保護シートを張った状態と生傷をそのまま晒している状態の違いみたいなものだ。
【安全性】
表面の状態のこの違いは、食品の安全面で違いがあるかもしれない。ピチットで脱水の場合は、表面が濡れている状態かつ、シートそのものが酸素をそれほど透過させるとは思えないので、好塩・嫌酸素菌が繁殖すると怖いかもしれない。風乾の場合、表面は菌が繁殖するには乾燥しすぎている上に空気に晒されているので嫌酸素菌の繁殖の心配も少ないだろう。干からびた表面が保護層の役割を果たすかもしれない。しかし脂肪の酸化はある程度覚悟しないといけないだろう。
【食感】
で、食べて見た感じ(パンチェッタは食いものなんだからこれが大事)は、ピチットの方は、生で食べると生ハムのような感じ、火を通すとまだ塩豚のような味わいだった。
風乾の方は、包丁の刃に脂肪が付着すると刃がすべるくらい表面が硬くなっていて、生で食べると表面と内部では明らかに旨みの濃さに差がある。火を通すと表面の硬い部分の香ばしさが際立ってくる。
食品としては、(風乾の)この不均一さが味わいを増しているように思う。